ぬかに水と塩を混ぜて醗酵させたぬか床に、野菜などを漬けてつくる「ぬか漬」。ぬか床に漬けることで酸味とうま味が加わり、さらに食材の栄養素も増します。それが「ぬか漬」の最大のメリットです。
前回は、「ぬか漬」の歴史やおすすめの野菜を紹介しましたが、ここでは、美味しい「ぬか漬」を漬けるための方法を詳しく解説します。

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ぬか床の管理の仕方

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ぬか床の過醗酵や菌の繁殖を避けるため、ぬか床のお手入れはかかせません。とはいっても難しいものではなく、もみこむだけ。 方法は以下の通りです。

【容器の場合】
ふたを開け、全体に空気が入るように、底の方からよくかき混ぜます。
冷蔵庫で保管:もみ込みは4~5日に1回程度で◎
常温で保管:毎日全体をよくもみ込む。

※もみ込むことで、醗酵の進みすぎや嫌なニオイの元となる菌の繁殖を防ぎます!

【保存袋の場合】
保存袋の口を開け、全体に空気が入るように、袋の外からもみ込みます。
<注意>野菜が入った状態のままだと、全体にもみ込むことが出来ない為、野菜を取り出してからもみ込みます。
もみ込みは、容器と同じ頻度で行ってください。

※カビ防止の為に、容器の周りや保存袋の口に付いたぬかをきれいにふき取るようにしましょう!

ぬか床が水っぽく、柔らかくなった場合

何度か漬けていると野菜から水が出て、ぬか床が柔らかく水っぽくなってくることありませんか?
かき混ぜるときにベチャベチャしたり、表面のくぼみに水が溜まってきたりする状態だと、かき混ぜていても空気が全体に入りにくくなって、悪い菌が増える原因にもなります。

まずは溜まった水分をキッチンペーパーなどで吸い取りましょう。
全体的にぬか床がゆるくなっている場合は、炒りぬかを足して、味噌くらいの硬さになるように調節します。
炒りぬかを足す量は、一握り~200ccの計量カップ1杯程度が目安です。

※ぬか床の状態によって炒りぬかを足す量が変わってきます。様子を見ながら足しましょう!

ぬか漬の仕上がりが酸っぱくなってきた場合

漬けた野菜や、ぬか床のにおいがすごく酸っぱいと感じることありませんか?それは乳酸菌が増えすぎて、ぬか床が過剰醗酵しているから。
解決法としては、野菜を全部取り出し、「酸味調整辛子ぬか」を大さじ1程度加えて、よく混ぜます。2~3日は野菜を漬けずに混ぜるだけにして、ぬか床を休ませましょう! 「酸味調整辛子ぬか」の辛子には、雑菌の繁殖を抑える働きがあります。配合されている卵の殻は、その成分であるカルシウムが酸っぱい原因の酸に作用して酸味を抑える働きをしてくれます。

※「酸味調整辛子ぬか」は、入れすぎると苦みが出てきます。ぬか床の状態によって加える量は変わってきます。少しずつ様子を見ながら足しましょう!どうしても回復しない場合は、1からやり直し、ぬか床を新しくした方が良い場合もあります。

ぬか床にカビが生えた場合

ぬか漬づくりで誰しもが通るトラブルが、ぬか床の状態によって生えるカビです。そもそも、なぜカビが生えるのでしょうか。 その原因は4つあげられます。

①ぬか床のかき混ぜ不足

乳酸菌は空気を嫌うため、ぬか内部に多く存在します。反対にぬか床の表面は空気に触れることが多く、乳酸菌は少なくなります。
乳酸菌が多くなると他の菌が増えにくいので、乳酸菌が少ない表面にカビが生えてしまいます。

【解決法】 ほかの菌を増やさないために、ぬか床全体に満遍なく乳酸菌を割り振る必要があります。ぬか床内の乳酸菌を均一にするには、冬場は1日1回、夏場は1日2回以上、ぬか床の底の方から持ち上げるようにしてかき混ぜましょう!

②ぬか床の温度が高い

ぬか床に含まれる乳酸菌の適温は、20~25度といわれています。
それよりも熱くなると酸が多く出てしまうほか、長期間放置すると、カビが生 えてしまう原因になります。

【解決法】 冷蔵室や野菜室に保存して、ぬか床を冷やしましょう!冷蔵庫に入りきらない場合は、凍ったペットボトルや蓄冷剤をぬか床に入れることで冷やせます。

③ぬか床の塩分が少ない

ぬか床に何度も野菜を漬けていくと、野菜に塩分が吸収されてぬか床内の塩 分が少なくなってきます。塩分が少なすぎると乳酸菌だけでなく、他の菌も活 発になり、カビが生える原因になります。

【解決法】漬けてある野菜やぬか床の量によって違いはありますが、4~5回漬けた後、ぬか床に小さじ1程度の粗塩を加えてかき混ぜましょう!かき混ぜるときは、野菜を全部取り出し、2~3日は野菜を漬けずにぬか床を休ませます。

④ぬか床の水分が多い

ぬか床に水分が増えてしまうと、美味しく漬けることができないばかりか雑菌が繁殖しやすい環境を作っていることになります。
雑菌が繁殖しやすいということは、カビにとっては良い環境なので、。定期的に取り除く必要があります。

【解決法】お手入れ方法としては、2の「ぬか床が水っぽく、柔らかくなったらどうする?」で詳しく解説しています!そちらを参考にしてみてくださいね。

5留守にする時の保存方法って?

旅行や出張など、家を長期で留守にする際、ぬか床の保存方法ってどうしたら良いか気になりますよね。せっかく育てたぬか床の乳酸菌がダメになったり、カビが生えていたりしたら・・・。でも、そんな心配は必要ありません。
か床の乳酸菌は、そんなに弱くはありません。

では、どのように保存したら良いのか?
留守にする場合やぬか漬をしばらく休む場合は、野菜が残っていると野菜の水分が出てしまい、ぬか床が傷む原因になります。

野菜すべてを取り出し、容器の蓋または保存袋の口をしっかりと閉じるましょう!10日間程度であれば、冷蔵庫に入れておいて問題ありません。長期になる場合は、冷凍庫に入れてください。再開するときは自然解凍からはじめましょう!

※ぬか床に空気が入らないように、しっかりとぬかを押さえつけておきましょう!

さいごに

ぬか漬の管理を大変だと思って懸念している、そんなことありませんか? 保存を常温から冷蔵庫や野菜室に替えるだけで、毎日ぬかをかき混ぜる手間を省くことができます。
漬けた食材の栄養価が増すという、ぬか漬の力は最大限に利用すべきです!
好きな野菜や変わり種を漬けながら、いろいろな発見や楽しみができて、食卓も華やかになるのではないでしょうか。
“食”は、からだづくりの資本です。日々の食卓に一品足すだけで、不足しがちな栄養素を補うことができます。

ぬか漬けをやってみたいけど、ちょっと面倒だなという方には、なり田の「水なすぬか漬」がおすすめです。

なり田の水茄子ぬか漬け

なり田の「水茄子のぬか漬」は、ぬか床につかったまま販売しています。 お召し上がりいただいた後、余ったたっぷりのぬかをそのまま使うことができます。
まずはそのぬかに、「胡瓜」を漬けてみませんか?
1~2日で美味しく漬け上がって、味も格別ですよ!
美味しい!と感じた方は、そのまま炒りぬかを足して「ぬか漬」生活はじめてみてくださいね。

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